株式会社ハイネット様は、ウィッグ及びアパレル製品を百貨店やショッピングセンター並びにオンラインショップで販売しています。2020年には創業60周年を迎え、ウィッグメーカーの中でも老舗として、信頼されたブランドを確立しています。今回は、店舗とオンラインショップ(https://www.hi-net-web.com/)にVirtual Storeをご導入いただきました。その導入背景や活用方法について、代表取締役社長の伴仲様にお話をお伺いしました。
“ご担当業務を含め、自己紹介をお願いいたします”
弊社はウィッグ及びアパレル製品を百貨店やショッピングセンター並びにオンラインショップで販売しています。2020年には創業60周年を迎え、ウィッグメーカーの中でも老舗として、信頼されるブランドを確立してきました。
ウィッグのブランドは「hi-net(ハイネット)」と「NAVANA(ナバーナ)」の2つを展開しております。「hi-net(ハイネット)」は50~70代をメインのターゲットとしており、全体売上の約8割を占めています。「NAVANA(ナバーナ)」は20~30代をターゲットとしており、前髪ウィッグなどのファッションアイテムを提供することで、若年層のブランド認知を広めています。
また、ファッション性の高いウィッグだけでなく、医療用ウィッグの取り扱いをしており、様々な年齢やニーズに対して女性のキレイを演出できるように努めています。
前職は株式会社アデランスにて、入社後ヘアデザイナーとしてウィッグの販売員を経験した後、アデランス本社のお客様サービスセンターにて責任者としてCS(カスタマーサティスファクション)推進業務を行いました。その後、マーケティング部門でPR関連に携わりCM作成などを経験し、管理部門の統括、生産部門では商品開発などを経て、2年前からアデランスグループ配下のハイネット社にて代表取締役を勤めています。
“Virtual Store導入前にはどのような課題を抱えていましたか?”
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、店舗での営業活動が自粛されたため、お客様と対面で接客を行うことが難しくなりました。オンラインショップにてウィッグを購入する場合、自分に商品が合うのか不安に思われるお客様が多くいらっしゃいます。そこで、オンライン購入でも店舗のような接客を提供できる手段があればと考えておりました。
また以前から、従来のお客様とのオンラインコミュニケーションの手段では商品の説明を十分にできていないと感じていました。お客様からのお問合せに対して、電話でウィッグの説明をすることがありますが、その際に色味やスタイルなどの見た目を思い通りに伝えられていないと感じることがあります。そのため、リモート接客ツールはお客様とのオンラインコミュニケーションにおいて、今まで表現できていなかったことを伝える新たな手段ではないかと考えていました。
“Virtual Storeを選んだ理由はなんですか?”
多くのリモート接客ツールを比較していく中で、利用者の使いやすさが導入の決め手になりました。
弊社のお客様や販売スタッフは50~70代の年齢層が多いため、リテラシーを求めてしまうツールでは、利用が難しいと考えていました。その点、Virtual Storeはスマートフォンの接続でもアプリのダウンロードが必要無いため、簡単にビデオ会議を立ち上げることができます。
また、予約システムが優れており、お客様自身でスムーズに予約を行える点も使いやすいと思いました。
“Virtual Storeをどのように活用されてますか?”
店舗とオンラインショップでリモート接客を行っています。
店舗では、新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、店舗の営業活動が難しくなり、お客様の来店数が大幅に減少したことが緊急の課題でした。そこで、まず3店舗からVirtual Storeを導入し、来店ができないお客様に対して、販売スタッフがリモート接客を行っています。
オンラインショップでは、購入前の商品選びで悩んでいる新規のお客様や商品の手入れで悩む既存のお客様に対して、適切なフォローができていない点が課題でした。そこで、オンライン上でお客様のお悩みに合わせた適切なフォローを行うため、オンラインショップにVirtual Storeを導入し、EC事業部の担当者がリモート接客を行っています。また、今後は「オンライン接客 ウィッグ」などで検索するお客様のサイトへの集客動線としても活用しようと考えています。
“Virtual Store導入後、効果はありましたか?”
具体的な効果測定はこれからですが、リモート接客ツール専用のランディングページ(以下、LP)の公開後、わずか2日で300名前後の訪問者数が計測できました。
しかし、まだLPに訪れていないお客様に対しては、弊社がリモート接客を始めたことを知らせることができてないので、今後お客様とお電話する際に告知をしていこうと考えています。
先日、お客様からのお電話で「ウィッグの付け方を知りたい」と問い合わせがあり、リモート接客を始めたことを伝えると、その場では利用に至りませんでしたが、「このようなサービスがあると便利ですね!」というお声をいただきました。このようにお客様と実際に話す機会にて認知を広げていこうと考えています。
また今後はリモート接客を利用されたお客様の声を掲載していく予定ですので、徐々に利用していただけるお客様が増えると嬉しいですね。
“Virtual Storeの使い勝手はいかがですか?”
操作講習を受講してからVirtual Storeを利用し始めたので、使いづらさを感じること無く操作をすることができました。店舗のスタッフが試しに利用してみると、「これだけでいいのね!」と好感触で、問題なく操作をすることができていました。
今後は、リリース予定の新機能がいくつかあるので、実装されたタイミングで現場が対応できるための体制を作らなければならないと思っています。
“リモート接客の導入を進める上での障壁はありましたか?”
はい、ありました。まず、お客様の年齢層が50~70代が多いため、「リモート接客ツール自体を利用しないのでは」という意見がありました。しかし調査によると「60歳以上の女性のスマートフォン保有率が約8割」というデータがありました(注1)。また、高齢の利用者の方には娘、息子などインターネットに親しみのあるご家族がいることが多いので、手伝ってもらいながらリモート接客を利用できるのではと思いました。
注1)・2020年、シニアはスマホを使えないはもう古い? シニアのスマホ所有率約8割 https://mmdlabo.jp/column/detail_1882.html, (参照 2021-04-26)
さらに、リモート接客ツールが一般の利用者に浸透していないので、どのように受け入れてもらうのかを考えなければいけませんでした。広告やチラシなどを活用してリモート接客の認知を広げていくだけではなく、お客様の声や機能改善のお知らせをこまめにだしていくことで、初回利用の障壁を下げることも重要だと考えています。
また、店舗のインターネット環境が整備されていない点もありましたが、緊急事態宣言発出をきっかけに、短期間で全店舗にWi-Fi環境を整備し、専属のスタッフを配置しました。
“リモート接客を行う人材の育成では何をされていますか?”
リモート接客は、店舗の接客とは異なり画面越しの情報でしか印象を伝えることができません。そのため、画面を通した、販売スタッフの表情や映る角度、相手に合わせた話すスピードなどを意識する必要があります。そこで、接客マナーなどに詳しい外部講師を招き、定期的にリモート接客の講習や実際の接客に対するフィードバックをいただいています。
また、店舗のスタッフの接客を標準化するために接客手順やトラブル時の対応をマニュアル化しています。慣れない接客方法に加えて、デジタルツールを使用することに抵抗のあるスタッフが多いため、リモート接客の不安を少しでも解消しようとしています。しかし、どこまでマニュアルでカバーをするかも考えなければなりません。
“今後リモート接客を活用して事業をどのように拡大していきたいですか?”
リモート接客によるお客様とのコミュニケーションを通して、ブランドに対する支持を集めることができればと考えております。成果を積み重ねていきながら、全ての店舗でリモート接客を実施していけるようにしたいですね。
また、オンラインショップにおいては、リモート接客によりオンラインショップの利便性を高めることで、他社との差別化を図っていきたいです。その結果、業界においてトップシェアの獲得を目指していきたいと考えています。